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2017/07/26 06:33
7月23日、名古屋市内にて合同稽古会試合稽古の場をお借りして粋陽堂製造の苗刀(中国の大太刀)帆布しないのテストを行ったのでその様子をレポートします。
▼帆布しないとは?
帆布しないは戦後に存在した「しない競技」で使われたしないを粋陽堂が復元、改良し販売しているものです。
剣道で使われる四つ割り竹刀よりも当たりが柔らかく、簡易な防具、防具なしでの稽古でもお使いいただけます。
帆布しないの詳細はブログ記事「帆布しないについて」
https://www.suiyodo.jp/blog/2017/06/03/101832
をご覧ください。
▼苗刀帆布しないの製作
今回試作したのはこちらの苗刀帆布しないです。
全長150cm(5尺)で、柳生新陰流の袋竹刀(全長1m、3尺3寸)と比較するとこのようなスケールになります。
苗刀の柄の長さは持った時の肘から指先までとの伝があり、下写真のように測ります。
今回は刃長105cm(3尺5寸)、柄45cm(1尺5寸)のバランスで試作しました。
▼試合稽古の様子
今回のテストで使用した道具は写真上から
・競技用なぎなた(7尺)
・帆布しない(3尺8寸)
・帆布しない(3尺3寸)
・柳生新陰流袋竹刀(3尺3寸)
・苗刀帆布しない(5尺)
防具は剣道、銃剣道のものを使用しましたが、有効打突部位や審判を設けず、完全な自由試合の形式で稽古しています。
武器を使っての斬撃、刺突、打撃あり、可能であればパンチ、キック、投げ、関節技全てありです。
稽古時の写真を一部ご紹介致します。
帆布しない(33) vs 袋竹刀。
帆布しない(33) vs 袋竹刀二刀。
武器を捨てての投げ技。
接近しての組み打ち、絞め技。
もちろん足も有効な攻撃箇所です。
片手突きを飛んで回避しての攻撃。
衝撃を袋竹刀がしなることで受け流していることを示した一枚。
全く痛くありません。
このように、帆布しない、袋竹刀を使えば、流派、競技種目を超えての試合稽古が可能になります。
かなり激しい攻防の続く稽古でしたが怪我も一切なく、もっと簡易な防具の方がより自由な形での攻防ができた、という印象でした。
プロテクターやグローブを所持している格闘技ならばすぐにでも武器術に応用可能でしょう。
今後粋陽堂では、帆布しないを用いた自由で安全な試合フォーマットを研究し、稽古イベントを行なっていく予定です。
▼苗刀帆布しない試用成果
今回の参加者には苗刀術の経験者はおらず、苗刀の特徴のみを説明した上で自由に攻防を行なってもらっています。
苗刀術の使い手が使ったらどのようになるのか、今から楽しみです。
添え手をし、槍の様な構え。
苗刀の鍔近くは刃がついていないという想定の中から生まれた発想。
苗刀術の型の中にもこのような使い方があるそうです。
添え手下段の構え。
苗刀上段、袋竹刀片手一刀下段。
二刀に対し小手。
帆布しない(38)に対し胴。
帆布しない(38)との距離感はこのようになります。
かなりリーチが長いです。
使い手が変われば攻防も変化します。
押し合いから下に転じる。
トンボ風。
薙刀引き面に対し、折り敷いて小手。
*稽古会参加の皆さま、写真提供N様、ありがとうございました。
帆布しないは長くなればなるほどしなりが大きくなり、武器として扱いにくくなるとともに、破損のリスクが上がります。
およそ1時間のテストでしたが、苗刀帆布しないに損傷は全くなく、参加者にも怪我はありませんでした。
製造方法に関しても布の伸長率を考慮して若干の修正を加える程度。
布の面積、縫製コスト分をわずかに上乗せして1割増程度の価格で提供できそうです。
しばらくはネットショップには掲載せず、希望者のみに試作品を販売しテストを続行する予定です。
試用、導入をご希望の方はご連絡ください。
粋陽堂
店主 横地浩紀
URL : https://www.suiyodo.jp/
E-mail : info@suiyodo.jp
TEL : 090-1834-0945
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4尺までの帆布しない、袋竹刀は粋陽堂ネットショップで販売しております。
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