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2020/08/12 05:38

粋陽堂立ち上げ当初より販売をしております、泉州佐野山本安謹製「丁字油」の値上げを致します。

内容量、パッケージなどは今までと変わりません。



この製品は昔ながらの製法、すなわち丁字油、椿油の100%天然の混合油で作られています。
(現在主流を占める「刀剣油」「御刀油」はシリコンなどの鉱物油です。)
丁字は日本で採集が出来ないため、江戸時代以前から輸入されていました。
一方椿油は現在でも国内の農家が細々と作っています。
しかし、実態としては産業として成り立たない程安価で取引されているのが現状のようです。


混合油の調合をしている職人に聞き取りをしたところ、これまで椿の栽培、椿油の採集販売をしていた伊豆の農家は経営困難により人知れず廃業したとのことでした。
粋陽堂の商品に使われる椿油の量はわずかであったかもしれませんが、調査不足による不適切な価格設定が廃業の要因の一端となってしまっていたことを悔いております。

今回調合分からは綿密な打ち合わせ、必要であれば値上げは遠慮なく報告提案してもらい、農家、油職人、業者とも負担のない価格設定を随時行うことを約束致しました。
椿油の仕入れは別農家からとなりますが、品質に影響がないことを確認しております。

他商品でも同様ですが、粋陽堂の商品は産業として成り立つ価格を調査し、仕入れ価格が安すぎると思われる場合には粋陽堂側から値上げを提案してお支払いし、適切な価格を設定して販売するよう努めております。
また、材料高などによる値段変動があった場合には生産者、製作者の生活保証の為随時商品価格を更新させていただきます。


新たな椿油の産地については非公開とさせていただきます。
以前木刀職人の廃業があった時、工房名が業者により公開されてしまった為に一般の電話問い合わせが相次ぎ、ただでさえ引継ぎで製作作業が忙しい中、電話対応に追われて大幅に作業が遅れてしまったと職人から聞いております。
電話、メール対応などの接客・営業にも製作作業と同様のコストが生じることをご理解いただき、冷静な対応にご協力お願い致します。


*可能な限り正確な情報提供に努めますが、調査不十分なものも混在している可能性があります。
本来であればリスク、トラブル回避の為一切情報は出さないのですが、状況を鑑み、今回は一部の情報を公開しております。

#丁子油